家を出てしばらくしたところで、ふと「玄関のカギをかけただろうか」と気になる。戻って確かめてみると、きちんとカギはかかっており、なんの問題もない。
誰もが経験するようなベタヴェタなこの現象。私の場合、割と高頻度(月1回ぐらい?)で発生する。カギをかけるという行為が究極的にルーチン化されてしまい、意識に残らないことが原因のようだ。
そこで、カギをかける際に、何か意識に残りやすい行動をセットにする、という対策を講じることにした。施錠した後、玄関のドアに正拳突きをかましたりすれば、確実に意識に残るであろうが、自分の拳が逝くのが先か、アパートを退去させられるのが先か、という悩ましい問題が生じる。
一番手軽な手法として、何か呪文のようなものを唱えることにした。……が、何かを閉じる際の呪文、というのが思いつかない。開けるのであれば「開けゴマ」的な言葉がすぐに出てくるのだが、なかなかその反対が出てこない(「閉じよゴマ」らしい、という説もあるが…)。
結局のところ、思いついたのはこれだけだった。
『アクトレイザー』(クインテット、1990)
かくして、毎朝、玄関のカギをかけながら「キン…キン…キン…バシュウン!」(封印中に流れる効果音)と呟いている謎の中年男性が誕生したのだった。それでいて夜になると自ら封印した魔物の巣に帰ってくるのだからなおさら意味不明である。
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