20180611

おしゃれ入門とかいう以前の話

ここ3~4年で、ようやく被服という習慣が身に付いた気がする。別にそれまで全裸で過ごしていたわけではなく、「服を着るという行為にシステムとか体系が存在すること」に気が付いたという話だ。

私は18歳で上京して一人暮らしを始めたが、そこから約12年ぐらいは以下のような体たらくだった。
・全身真っ黒でも気にしない。
・シャツの上にシャツを着てその上にシャツを着る。
・常にシワだらけ。というかハンガーを持っていない時期があった。
・中肉中背なのに常にLサイズ。大き目にしておけば太っても大丈夫という考え。
ダサいとかいう以前の状態。後悔先に立たずとはいえ、青年時代をこのような有様で過ごしてしまったのには、さすがにやっちまった感が否めない。

さて、今、思い返してみると、最も根本的な原因は「トップス」「ボトムス」「アウター」「インナー」という概念を認識していなかったことだろう。当時の私は「ジャージ」「ジーパン」「セーター」「背広」など、衣服が素材や形状によって分類されることは知っていても、装着部位・役割で分類されることを知らなかったのだ。

現在の洋服の場合、トップス・ボトムス・アウター・インナーの組み合わせ=服装と言ってもよいはずだが、当時の私にはそういう概念がなかった。なので、アウターなしでトップスを3枚重ねることに違和感を持たない。全身をパーツに分けて考えることができないので、色の組み合わせ、という観念もなく、全身が同色になっても気が付かない。

あまりに基本的な話であるので、おそらくファッションの入門書や脱ヲタ指南書などにも書かれていないのではなかろうか。が、私の場合は30歳過ぎてようやくこのことに気が付くことができた。

これは別に私がオシャレになったとか脱ヲタファッションに成功したというわけではない。冒頭に書いたとおり、被服という習慣が身に付いた、というだけである。もし、衣服を着ることが人類特有の習慣であるならば、ようやく人類になった、という話でしかないのかもしれない。

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