先日、『見上げると君は』を紹介したせいか、松田円『それだけでうれしい』(芳文社)を思い出した。どことなく中途半端な文、がタイトルになっている作品、ということからの連想だろう。
原町銀座通りという名の商店街を舞台にした、和菓子屋の看板娘と喫茶店マスターの幼馴染ラブストーリー。いい意味で「地味」な作品。そういえば作中にもほめ言葉として「土の味」という言葉が出ていた。
舞台となっている「原町銀座通り」は「駅前ではないのに賑わっている」「個人商店が並ぶ」という、現在ではごく一部の大都市圏でしか見ることのできない奇跡のような商店街となっている。そういう意味ではある種のユートピア漫画かもしれない。
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